ユニバーサルデザイン事例集

ウェブサイト エラーメッセージ アクセシブル設計のポイント

Tags: アクセシビリティ, エラーメッセージ, ウェブデザイン, ユニバーサルデザイン, UI/UX

ウェブサイトを利用する際、入力ミスなどでエラーが発生することは避けられません。このエラーメッセージが、誰にとっても分かりやすく、適切に伝わるように設計されているかどうかが、利用者体験の質を大きく左右します。特に、障害のある方や高齢者にとって、アクセシブルでないエラーメッセージは、サイトの利用を断念せざるを得ない原因となることがあります。

本稿では、ウェブサイトにおけるエラーメッセージのアクセシブルな設計について、具体的なポイントを利用者の視点から解説します。

エラーメッセージのアクセシビリティが重要な理由

エラーメッセージは、ユーザーに問題が発生したことを伝え、その問題を解決するための手助けをする重要な要素です。アクセシブルでないエラーメッセージは、以下のような課題を生じさせます。

これらの課題を解消し、すべてのユーザーが円滑にサイトを利用できるようにするために、エラーメッセージのアクセシブル設計は不可欠です。

アクセシブルなエラーメッセージ設計の具体的なポイント

アクセシブルなエラーメッセージを実現するためには、いくつかの重要な考慮点があります。

1. エラーの発生を明確に通知する

エラーが発生したことをユーザーに確実に伝える必要があります。これは視覚的な表示だけでなく、支援技術に対しても同様です。

2. エラー内容と修正方法を具体的に提示する

エラーメッセージは、何が問題なのか、そしてその問題を解決するためにユーザーが何をすれば良いのかを、誰にでも理解できる言葉で伝える必要があります。

3. エラー箇所へのナビゲーションを容易にする

複数の入力フィールドがあるフォームなどでエラーが複数発生した場合、ユーザーがエラー箇所を簡単に見つけ、修正できるようにすることが重要です。

4. 入力フィールドとエラーメッセージを関連付ける

エラーメッセージが、どの入力フィールドに関連しているかをプログラム的に関連付けることが重要です。これにより、スクリーンリーダー利用者が入力フィールドにフォーカスした際に、関連するエラーメッセージも読み上げられるようになります。

5. 色だけに頼らないエラー表示

色覚特性のある方や、白黒表示で見ている方もいるため、エラーの表示を色だけに頼ってはいけません。

利用者の視点からの評価

アクセシブルなエラーメッセージは、様々なユーザーのストレスを軽減し、タスク完了を支援します。

まとめ

ウェブサイトにおけるエラーメッセージのアクセシブルな設計は、単なる技術的な対応に留まらず、すべてのユーザーがサイトを快適かつ円滑に利用できるようにするための重要な配慮です。エラー発生時の明確な通知、分かりやすいメッセージ内容と修正方法の提示、エラー箇所への容易なナビゲーション、そして適切な技術(ARIA属性など)の活用は、利用者体験を大きく向上させます。

これらのポイントを考慮した設計は、情報へのアクセスにおける障壁を取り除き、より多くの人々がデジタルサービスの恩恵を受けられる「情報のユニバーサル化」の実現に貢献します。エラーメッセージ一つをとっても、利用者の立場に立った丁寧な設計が求められているのです。