ユニバーサルデザイン事例集

ウェブサイト 決済・購入機能 アクセシブル設計ポイント

Tags: 決済, 購入, アクセシビリティ, ウェブデザイン, ユニバーサルデザイン

ウェブサイトの決済・購入プロセス アクセシブル設計の重要性

ウェブサイトにおける決済や購入のプロセスは、多くの場合、利用者がサイトの最終的な目標を達成する重要なステップです。ショッピングサイトでの商品購入、サービス契約の申し込み、寄付など、その内容は多岐にわたります。この最終段階において、誰もが円滑かつ安全に手続きを完了できることは、情報のユニバーサル化という観点から極めて重要です。しかし、決済・購入プロセスは入力項目が多く、時間制限がある場合もあり、アクセシビリティ上の課題が生じやすい部分でもあります。

ここでは、ウェブサイトの決済・購入機能において、特にアクセシブルな設計を実現するための具体的なポイントを利用者の視点から解説します。

アクセシブルな決済・購入プロセスを実現する設計ポイント

1. 分かりやすいステップ表示とナビゲーション

決済・購入プロセスが複数のステップに分かれている場合、現在どのステップにいるのか、全体のステップ数はいくつなのかを明確に表示することは、利用者が迷わず進むために不可欠です。

ステップ間の移動(「戻る」「次へ」など)ボタンは、その機能が明確に分かるラベル(例: <button>配送先情報の入力に戻る</button>)を持ち、キーボード操作で容易にアクセスでき、視覚的にフォーカス状態が分かりやすいように設計する必要があります。

2. 入力フォームのアクセシビリティ確保

住所、氏名、支払い情報(クレジットカード番号、有効期限など)の入力は、決済プロセスの中心です。ここでのアクセシビリティは極めて重要です。

3. 時間制限への配慮

セキュリティ上の理由などから、決済・購入プロセスに時間制限が設けられる場合があります。この時間制限は、作業に時間のかかる利用者にとって大きな障壁となり得ます。

4. 確認画面と修正の容易さ

最終確認画面では、入力したすべての情報が明確に表示され、利用者が内容を容易に確認できるようにする必要があります。

5. 完了の明確な通知

決済・購入が正常に完了した際は、その旨を明確に、複数の方法で伝えます。

まとめ

ウェブサイトの決済・購入機能におけるアクセシブル設計は、単に法規制に対応するためだけでなく、ビジネス機会の拡大、顧客満足度の向上、そして何よりも誰もが置き去りにされないインクルーシブな社会の実現に貢献するものです。

今回ご紹介したポイント(分かりやすいステップ、アクセシブルなフォーム、時間制限への配慮、確認・完了通知の明確化など)は、特に障害のある方や高齢者にとって、ウェブサイトを利用した取引を諦めずに済むための重要な要素です。これらの配慮を通じて、より多くの人々が自信を持ってウェブサイトを利用し、その恩恵を享受できるようになることを願っております。ユニバーサルデザインの考え方を決済・購入プロセスに適用することは、情報のユニバーサル化を推進する上で欠かせない取り組みと言えるでしょう。